悩! 尿漏れがいつまでも治らない!!
/尿漏れにまつわるウワサを検証 

お話を伺った先生

画像: お話を伺った先生

藤崎章子先生
女性泌尿器科医。四谷メディカルキューブ勤務。

 

最初の出産から
5年から12年経過した人で
腹圧性尿失禁がある人は25.3%(出典1)

1.Webの情報だけでは分からない、
いい病院の探し方。

尿漏れを診てもらえる病院はどうやって見つければいいですか?
本当に悩んでいるのに産科、婦人科、泌尿器科、どこへ行ってもまともに取り合ってもらえず、骨盤底筋体操のやり方が書かれた紙を渡されるだけです(涙)。

 
「産後のことはそれぞれ関連する科の先生も勉強されているので、産科、婦人科、泌尿器科、どれも間違いではないです。ただ、例えば産科の先生の中でも、胎児の健康管理に強いとか、それぞれ専門が異なっています。あまり納得のいく回答を得られなかったというのは、たまたまその分野の専門の先生にあたらなかったということかもしれません。

まずは、通いやすい地域の泌尿器科へ行くことをおすすめします。
その先生に、近隣で女性の尿失禁を専門に診ている先生(泌尿器科でも婦人科でも)を紹介してもらう。どの地域でも、どの先生は何が得意といったことを近隣の先生同士で把握しているものです。

Webの検索にはひっかからなくても、学会に出られて、まじめに尿失禁について研究されている先生は多いです。Webサイトがしっかりしていて検索にひっかかりやすいところというのは、ある意味、広報機能がしっかりしているということであって=本当にいいところ、根拠のあるところ、とは限りません。遠回りかもしれませんが、Webの情報だけに振り回されないようにしてください」

 

2.泌尿器科と女性泌尿器科の違いはなんですか?

「何を専門とするかの違いです。そもそも女性泌尿器科は女性特有の尿失禁や泌尿器の疾患を専門に取り扱うところですが、泌尿器科の先生も、もちろん女性泌尿器科の診療はできますし、知識は持たれています」

 

3.病院ではどういった治療をされますか?

「尿失禁に関する診査、検査のあと、骨盤底筋体操の指導のほか、場合によっては薬の処方や低周波治療、磁気治療が行われます。レーザー治療を行っている施設もありますが、現時点での尿失禁に対する効果の根拠は不十分です。
それらのあと改善がなく、ご本人の生活に支障をきたすようであれば手術を検討します」

 

4.低周波治療法は効果はありますか?

「効く人には効くので、やってみる価値はあると思います。
ただ、最初の3週間は週に2回、次からは2週間に1回、というようにかなり高頻度で通わなければならない治療ではあります。30代、40代前半ですと、仕事や子育てに忙しく、それだけの時間をとることはなかなか難しいと思います。

ただ、骨盤底筋体操の指導をしている医療機関は少ないですが、低周波治療をやっている病院はそれよりももっと幅広くあるので、もし自宅近くにあればやってみてもよいかと思います」

 

尿漏れにまつわるウワサ

5.骨盤矯正ベルトと尿漏れの関係。

すぐ着けるべき派とすぐ着けない派、どっちも説がありますが、尿漏れにとってどちらがいいんですか?

「どちらが尿漏れに効果があるか、もしくは悪影響かといったデータはないので、その点に関してはまったくわかりません。いつ着けるかというのも、それぞれの産科の考え方しだいです。ただ、骨盤ベルトじたい、ずり上がっていきやすい商品で、間違ってお腹まわりに着用して腹部を圧迫している人も多いです。正しい場所(恥骨と大腿骨大転子を結んだ部位)で着けるようにしてください」

 

6.骨盤矯正サロンなどで尿漏れの改善を謳っているところがありますが、効きますか?

「尿漏れのトラブルに関して、骨盤底筋を鍛えると謳っている商品やサロンなど様々ありますが、根拠がないものがほとんど。すべてに効果がないとは言いませんが、実際そういったところに時間とお金を費やした結果、改善せずに私どものところに来られる患者さんも多数いらっしゃいます。まずは病院を受診することをおすすめします」

 

7.いわゆる膣圧を上げるような、海外でありがちなトレーニング器具は効くのでしょうか?

「きちんと膣圧の数値を測れるようなものであれば悪くはないと思います。自分なりに締めているつもりなのに数値が上がらないなら、やり方が間違っているということだから、自分で修正できるので。ただ、当てるだけ、入れるだけというようなものは、効果のほどは疑問です」

 

手術という選択肢

産後の尿漏れは多くは手術をせずに改善するけれど、手術が必要になる方もいます。

40代の女性で腹圧性尿失禁が週1回以上ある人は約10%、毎日ある人は約4%(出典2)

 

8.手術するほどひどいかどうかの自己診断法は?

「尿がたまっている状態で咳をしてみて漏れたら、手術適応レベルではあります。ですが、これで漏れたとしても、今の状態で生活に支障を感じず、困っていないのであれば、現時点では手術は必要ありません。体操を頑張って続けてください」

 

9.手術はどういったものですか?

「まず、手術をするかどうかの前提として

・もう妊娠・出産はないこと
・術後6週間、重いものを持たずに生活できることが保証されていること
(走る、運動、自転車なども禁止)

という条件をクリアしている必要があります。

 
この場合の重いものとは、濡れた洗濯物を入れたかごや、水をはった大きな鍋ぐらいのレベルのものも含まれているので、当然、お子さんが小さく、抱っこをしないといけない時期は、周囲のサポートを得られるのでなければ難しいです。その間は体操でしのぐことになります。

 
手術はTVT手術、TOT手術と言われるもので、メッシュテープを使って尿道に支えを作ってあげるようなもの。

当院の場合ですが、手術は1泊2日の入院、全身麻酔、手術時間は10分程度。
キズは膣の中に1cmと、恥骨上または足の付け根に0.5cmのものが2つで、目立ちません。
入浴、シャワー、階段、歩くのはOK。
また、当院の実績では、手術後、性交時のトラブルは今のところありません。

基本的に劇的に改善する人が多く、もっと早くからやればよかったという人は多いです」

 

10.術後の経過はどうですか?

「術後、尿の出が悪くなったという人もいますが、そもそも尿失禁のある人は、勢いがよすぎることが多いので、検査してみると普通の人と同じくらいだったということがよくあります。この手術は勢いを抑える手術でもあるので、手術前に尿の勢いをみる検査をし、膀胱の力が弱すぎず、手術しても問題ないかは確認します。

手術の効果は、原理的には半永久的に続くと考えられています。
まだ始まって約20年なので、30年後のことはわかりませんが、同じ素材を使った他の手術を考える限りはよい手術と思われます。医師が自身や自分の身内に受けさせたりもしている手術です」

 

11.30代、40代でも手術を受ける人はいますか?

「少なくありません。当院では過去3年間で手術をした方のうち、30歳〜45歳は16%、30歳〜50歳は27%でした」
 

出典
1)J Urol.2008;180(3):992-997.
2)日本排尿機能学会誌.2003;14(2):266-277

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